ナイロンメッシュ

ナイロンメッシュは酸や有機溶剤に対して比較的高い耐性を持つ一方、アルカリには弱い傾向があります。特に高濃度のアルカリや高温のアルカリ溶液にさらされると加水分解が進み、性能が低下する可能性があります。また、耐薬品性は温度や湿度の影響を受けるため、環境条件に応じた使用が重要です。一般的には、食品加工やろ過用途、軽度の化学処理に適していますが、厳しい化学環境では注意が必要です。

ナイロンメッシュの耐熱性は、種類によって異なりますが、一般的には連続使用温度は80°C～100°C程度です。ナイロン66やガラス繊維強化タイプでは120°Cまで耐えることが可能で、高耐熱グレードではさらに高温環境に対応します。ただし、高温下で湿度が高い場合には吸湿性により機械的強度が低下する可能性があるため注意が必要です。瞬間的には150°C前後まで耐えられますが、長時間の使用には適しません。適切なグレード選択により、安定した性能を発揮します。

ナイロンメッシュの経済性は非常に高く、1㎡あたり300～4,000円程度の幅広い価格帯で提供されています。標準グレードの低密度メッシュは300～500円/㎡と手頃な価格で、食品加工やDIY用途に適しています。一方、耐熱性や耐薬品性を備えた特殊用途の高性能タイプは、2,000～4,000円/㎡程度とやや高価ですが、性能に見合う価値があります。軽量で柔軟性が高く、多用途で使用できるため、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。

ナイロンメッシュは、軽量で柔軟性が高く、切断や溶着が容易なため加工性に優れています。熱可塑性を活かした成形や接着が可能で、複雑な形状にも対応しやすいのが特徴です。金属メッシュに比べて加工が簡単で、食品加工や産業用途など幅広い分野で活用されています。ただし、高密度メッシュや特殊グレードでは専用ツールや技術が必要となる場合があります。総合的に見ると、ナイロンメッシュは加工性の面で非常に扱いやすい素材です。

ナイロンメッシュの耐紫外線性能は中程度で、屋内使用や短期間の屋外用途には十分対応できます。ただし、長時間の直射日光にさらされると、劣化（黄変や脆化）が進むため注意が必要です。紫外線吸収剤を添加したグレードやUVカットコーティングを施した製品を選べば、性能を向上させることが可能です。耐紫外線性が求められる用途では、ポリエステルメッシュやテフロン製メッシュ（PTFEメッシュ）も併せて検討すると良いでしょう。

ナイロンメッシュは非常に軽量で、5段階評価で「5」に値します。金属メッシュより圧倒的に軽く、プラスチック系素材の中でも強度と軽さのバランスが優れています。軽量性は輸送コストの削減や取り扱いやすさに直結し、食品加工や医療機器の一時保護用途などで広く活用されています。この特性により、扱いやすさと多用途性を兼ね備えた素材として高く評価されています。